ベントオーバーロウ

今回のテーマは、トレーニング種目にしぼったものです。
いままでは、各部位を鍛えるためにざっくりとしての紹介しかしていませんでしたが、今回は1つの種目にしぼった初めての試みです。

紹介するトレーニングは背中の王道トレーニングベントオーバーロウです。

この種目は色々な方法があり、狙う場所により行い方が違うので非常に間違いが起きやすい種目なのです。ベントオーバーロウは色々なバリエーションがありますが、大きくわけて2つに分けます。

・肩甲骨を内転させてミゾオチに引くミゾオチワンハンドロウ
・肩関節を伸展させて骨盤側に引くコツバンベントオーバーロウ

この二つの違いを解説していきます。

ミゾオチベントオーバーロウ

この動きのポイントは、バーを真上に引き上げて肩甲骨の内転という動きになります。

・スタートポジションでは、身体を真っすぐの状態でバーを握ります。
バーの重さに負けて背中全体を丸まってしまうと、腰に負担がかかるので注意しましょう。
また、背中が丸まらない様にするため、骨盤を過度に前傾させるのも痛めてしまうので注意しましょう。

・バーの軌道は垂直に挙げていき、肩甲骨をしっかり引き寄せて、肩甲骨を内転させます。
背中にしわを作るイメージです。

上半身の倒す角度が浅くなると僧帽筋上部に効きやすくなります。
逆に倒す角度を深くすれば、より肩甲骨を内転しやすくなるので僧帽筋中部に効きやすくなります。
でも、倒す角度を深くすると腰への負担が増大します。注意が必要です。

ストレッチバリエーション
スタートポジションで肩甲骨を外転させるようなポジションで構えます。(少し猫背の様な感じで、骨盤は真っすぐさせます)
このやり方はより僧帽筋中部をストレッチさせるやり方ですが、少し難しい種目です。
背骨全体が丸まってしまう人は、通常のやり方で行ってください。

肩甲骨を開いた状態からミゾオチに向かって引きます。

コツバンベントオーバーロウ

この動きのポイントは、バーを身体側に添わせるように、骨盤方向に引いていき肩関節の伸展という動きをしていきます。

 

・スタートポジションでは、背中が丸まらないように身体を真っすぐに固定します。
これも、みぞおちひきと一緒で、背中全体を丸まってしまうと、腰に負担がかかるので注意しましょう。

・バーを、太ももにそわせるように肩関節を伸展させ、骨盤の骨にあたるくらいひきます。
バーの軌道は黄色の矢印の方向のように少し斜め上に引きます。

バーベルは垂直に動かしましょうと以前のブログで紹介しました。
じつは、このバーベルの軌道は斜め上なので、原則から若干外れる様な種目になってしまいます。
負荷のかかる方向と力の発揮させるのを完全に一致させるには、Tバーロウというマシンを使うか、ケーブルで引くと一致させることができます。

とはいえ、背中の種目で高重量を扱えるトレーニングです。
僕は最近、好んで取り入れている種目です。

 

反動バリエーション

広背筋を鍛える②で少しお話したのですが、広背筋下部には体幹の側屈、回旋、後屈の作用もあります。
側屈、回旋はベントオーバーロウではできませんが、後屈を行うことができます。
つまり肩関節の伸展+体幹の後屈を行います。

一見すると素人が反動を使っている様に見えてしまいが、力が抜けないように行うと広背筋上部、下部を同時に狙えるバリエーションになります。

正し、腰の反動が強くなりすぎて、背中の負荷が抜けてしまうようでしたら体幹は固定したまま行いましょう。

 

腰への負担

ベントオーバーロウは正しいやり方をしても、腰に負担をかけてしまいやすい種目です。なるべく、腰に問題ない時に行いましょう。
痛みがでたら、無理せずトレーニングは中止しましょう。

どうしても、この姿勢で頑張るとオレンジ色(腰、殿筋、ハムストリング)で支えなくてはなりません。
この姿勢でスクワットをしていると一緒です。

ですので、1週間の中での腰への負担をコントロールしていくことが重要です。

編集後記

ミゾオチ引きもコツバン引きも、ぱっと見たら似ている種目ですが、動きは全然違うのです。
そうすると、効く筋肉は全然変わっていきます。

どのトレーニングにも言えることですが、一人一人の目的により行い方が変わります。ジムで、あの人がやっている方法だから、このやり方が正しい!と思うことがあると思いますが、決してそれが正解とは限りません。

ですので、正しい知識を持ち自分の目的にあったトレーニングの選択が重要だと思っています。

そして、自分の目的にあった方法で行っていきましょう。

今回のテーマと一緒にお時間ありましたら、肩甲骨の動き方背中を鍛える①背中を鍛える②もお読み頂けたら理解しやすいかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。