上腕二頭筋・上腕筋

上腕二頭筋、上腕筋の解剖学

今回のテーマは、上腕三頭筋に引き続き上腕二頭筋・上腕筋についてです!
肩の関節をまたぐ筋肉か、肘だけをまたぐかで力の入りやすいポジションが変わってきます。それぞれの筋肉の基礎解剖学を解説していきます。

上腕二頭筋

上腕二頭筋も解剖学的にみると、肩甲骨の関節上結節烏口突起の2か所から出てきて、途中で合わさり前腕の橈骨という骨につくのと、前腕の筋膜にくっついていきます。

関節上結節から出る方が長頭、烏口突起から出る方を短頭といいます。

主動作
肘関節の屈曲・回外

補助動作
肩関節の外転・内旋(長頭)、屈曲(長頭・短頭)

上腕三頭筋長頭と同様に、上腕二頭筋はどちらも肩の関節をまたぎます。
ですので、上腕二頭筋の肘の屈曲作用は肩関節の位置によって変わってきます!

上腕二頭筋は

肩関節が屈曲位で緩み(力が入りずらい)

肩関節が伸展位で伸ばされます(力が入りやすい)

という特徴があります。

上腕筋

上腕二頭筋よりも有名じゃない筋肉です。
上腕骨の前面下半分から起始して、前腕の尺骨という骨につきます。

上腕筋は上腕二頭筋の下から出てきますので、外側から触れるのは一部分でほとんどが上腕二頭筋に覆われています。

主動作
肘関節の屈曲

上腕筋は肩の関節をまたぎません。
つまり、肩の位置によって肘の屈曲作用は変わることはありません!

その点を考えながら実際のトレーニングを考えていきます。

上腕二頭筋、上腕筋のトレーニング

解剖学的な構造を考えたうえで、実際のトレーニング方法を紹介していきます。

ダンベルカール

肩関節の位置は真っすぐの状態で肘の曲げ伸ばしを行います。
上腕二頭筋、上腕筋共に働きます。

インクラインダンベルカール

この種目は、インクラインベンチに仰向けにに寝て肩を伸展位にします。
こうすると、より上腕二頭筋がストレッチされて効果的に鍛えることができます。

ただし、この種目は上腕二頭筋長頭腱炎という肩のトレーニング障害を起こしやすいので注意が必要です。

プリチャーカール

本来は、プリチャーカールベンチに座って行いますが、今回はインクラインベンチを利用した行い方です。
この種目は、立った状態でインクラインベンチに肘をあて、肘の曲げ伸ばしを行います。
肩関節が屈曲位の状態なので、上腕二頭筋がゆるみ働きづらくなり、上腕筋が優位に働くようになります。

 

上腕二頭筋は、1種目だけではまんべんなく鍛えることはできません。

様々な種目を取り入れて自分にあった種目を行ってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献

・カパンディ関節の生理学
・プロメテウス解剖学