食物繊維

食物繊維

食物繊維の種類と定義

定義

「食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総称である」

とされています。
主に、野菜・果物に入っています。

種類

水にとけない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられます。

不溶性食物繊維には
・セルロース
・不溶性ペクチン
・キチン
等があります。
主に穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻に入っていて、ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。

水溶性食物繊維には
・水溶性ペクチン
・Bグルカン
・グアガム
・こんにゃくマンナン
・難消化性デキストリン
等があります。
昆布、わかめ、こんにゃく、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれていてネバネバやサラサラするものがあります。

食物繊維の生理作用、摂取目安

不溶性食物繊維の生理作用

1.大腸がんの予防
不溶性食物繊維の作用により、糞便量の増加と食塊の腸内通過速度の促進により発がん性物質の減少、発がん性物質との接触時間の短縮により、大腸がんの予防効果が認められています。

2.大腸憩室の予防と便秘の解消
不溶性食物繊維の摂取量低下により、便秘を起こし大腸憩室を起こしやすくなると報告されています。

大腸憩室症
大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう Diverticulosis)は、大腸の腸管内壁の一部が腸管内圧の上昇などの要因により袋状に腸壁外に突出した憩室が生じている状態をいう。ウィキペディア(Wikipedia)

3.毒素吸収防止効果
赤色2号といわれる着色料を食物繊維の吸着作用により吸収防止効果があるとされています。

 

水溶性食物繊維の生理作用

1.血清コレステロール値の是正
小腸からのコレステロール吸収を抑制する効果と胆汁酸を吸着して糞便への排泄を促進する効果があります。

2.腸内細菌発酵
水溶性食物繊維は腸内発酵を受けると、短鎖脂肪酸という物質が生成されます。この短鎖脂肪酸は、エネルギー源として利用される作用と大腸内の腸内細菌叢を改善する作用があるとされています。
不溶性の食物繊維にも作用はありますが、水溶性食物繊維の方が作用は強いです。

3.食事性血糖値上昇抑制効果
粘度の高い食物繊維は胃から腸への食物の移動速度を低下させます。
それにより、糖質の吸収スピードを低下させて血糖値の上昇を抑制させることができます。

摂取目安

厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、1日あたりの「目標量」は、18~69歳で男性20g以上、女性18g以上となっています。

ですが、24 g/日以上摂取 で心筋梗塞死亡率の低下が、12 g/日未満摂取で死亡率の上昇が観察されています。

なので、できれば24g以上摂取した方がいいのと、どんなに少なくなっても12g以下にならない方が良さそうです。

食物繊維を含む食品は、主に野菜類です。
普段摂取する機会が多いような食品を一部紹介します。

(100gあたりの含有量)

・もやし:2.2g

・ほうれん草:2.8g

・ブロッコリー:3.7g

・にんじん(ゆで):2.9g

・なす:2.2g

・とまと:1.0g

・たまねぎ:1.7g

・キャベツ:1.8g

・豆腐:0.4g

・納豆:5.9g
(1パックだと約3g)

などがあります。

なので、1日に24gを摂取するのは大変です。

なので、僕は普段足りない分はファインの食物繊維を使っています。

最後までお読み頂きありがとうございました。
参考文献

・よくわかる栄養学の基本としくみ 中屋 豊(秀和システム)
・基本栄養学 第2版 林 淳三(建帛社)
・厚生労働省 ホームページ 炭水化物より
・日本食品標準成分表(文部科学省)