10年後、君に仕事はあるのか?

「10年後、君に仕事はあるのか?」 藤原 和博


この本は中高生に向けて書かれている本ですが、大人も必読な1冊だと思っているので今回紹介させていただきます。

僕がこの本で心に残ったのが

「AIによって取って代わられる仕事」

「情報処理力から情報編集力」

「レアカード化とキャリアの掛け算」

この3項目について説明していきます。

「AIによって取って代わられる仕事」

近年AIの技術革新はものすごいペースで進んでいます。

今まで、人の手でおこなってきた作業が機械でできてしまう時代です。

身近なところで考えると、

駅の改札で駅員さんに切符を切ってもらっていたのが、今はすべて自動化ですね。

スーパーではセルフレジが普及しつつあります。

AIの進歩は私たちにより便利な世界にしてくれます。

それと同時に仕事を奪っていくともいわれています。

一般的にAIに取って代わられる仕事としては次の様な仕事が挙げられています。

・経理事務員

・銀行窓口

・医療事務員

・受付係

・テレホンアポインター

・税務職員

など、グーグルで検索するともっとたくさんでてきます。

著書の中で

この10年でさらに、かなり複雑な判断が求められる仕事までAI×ロボットに奪われていくだろうと予測されているのです。
P28 引用

とおっしゃています。

つまり、これからの時代はAIやロボットにはできない仕事をしていくしかなくなってくるのです。

「情報処理力から情報編集力」

情報処理力とは、早く正確に処理できる力
(知識・技能)

情報編集力とは、正解がないか、正解が1つではない問題を解決する力
(思考力・判断力・表現力)

P40 引用

この2つの力は、どちらも必要な力です。

高度経済成長を迎えた20世紀の「みんな一緒」の成長社会では、情報処理力が重要でした。
成長社会では、ものがない時代だったので、大量に同じものを作っても売れる時代でした。
ものがないからです。
この時代では、いかに早く、正確にできる力を求められていました。
つまり、情報処理力です。

ですが、成長社会から「それぞれ1人ひとり」の成熟社会になった現在では、同じものを作っても売れない時代になっています。
正解がない時代なのです。
正解のない社会の問題解決には、情報処理力が必須になってくるのです。

この時代に生きていくには、情報処理力から情報編集力を高めていくことが重要になります。

「レアカード化とキャリアの掛け算」

P190図を参考改変

上の図は、仕事を時給で考えた場合です。

仕事は、同じ1時間働いても約800円から80000円まで100倍以上の差があります。

この横軸を支配するルールは何でしょうか?

答えは、希少性です。

例えば、一番左のコンビニバイトだと、誰かほかの人に「取って代わられる可能性のある仕事」です。

この図の一番右側のコンサルタントだと、コンサル先の社長が君じゃなければダメだと言ってくれて「かけがえのない仕事」になります。

ですので、「それぞれ1人ひとり」の成熟社会では、みんな一緒の方へいくとどんどん価値が下がってしまいます。

著書の中で、藤原先生は子供にわかりやすい次の様な表現を使っています。

自分自身をレアカード化しよう!
p200 引用

キャリアの掛け算

最初に結論から言うと

3つのキャリアを5年から10年ずつ経験して、その掛け算で希少性を獲得し、100万人に1人の存在になりましょう。P203 引用

と述べられています。

100万人に1人というとオリンピックのメダリスト級のレアさです。

まず、ある1分野の仕事を集中して100人に1人の希少性を確保します

10000時間の法則といわれるものがあり、これは1つの仕事を10000時間真剣に取り組めばその仕事をマスターできるといわれています。

マスターできれば、その分野で100人に1人くらいの希少性は得られるという事になります。

具体的な時間例で考えると

1日8時間 週5で働く40時間
40時間×4週=160時間(1ヵ月)
160×12か月=1920時間(1年)
一年約2000時間で計算すると5年で10000時間になります。

ただ、これは会社にいる時間でなくて真剣にその仕事のみをしている時間でカウントした方がいいです。
簡単な書類のコピーをするだけの時間など、雑務のような時間は除いて考えます。

そうすると、入社したばかりの20代の人だと10000時間働くには、5年以上になるケースがほとんどだと思います。

どうにか、頑張って20代で100人に1人の存在になります。
自分の左足のポジションを決めます。

そして、30代で新たな分野で10000時間働いて100人に1人の存在になります。
右足のポジションを決めます。

この時には10000人に1人の存在になれているはずです。

そして、更にもう1分野を極めて100人に1人の存在になります。
左足、右足を決めて前に大きくジャンプします。

この三角形の大きさが希少性の大きさになります!

こうすることで100×100×100となって
100万人に1人の存在になります。

こうすることで、自分を他には絶対いない希少レアカード化するのです。

まとめ

1.AIに仕事を奪われない、人間にしかできない仕事をする

2.情報編集力を高める

3.自分をレアカード化する

他にも、この本は人生の参考になることも多く書いていますので、子供のみならず大人にもおススメの本です。

最後までお読み頂きありがとうございました。

参考・引用文献
10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」