僕が子供の頃は、運動前はしっかりストレッチしなさいというの常識でした。
ですが、近年の常識ではストレッチをするとパフォーマンスが落ちるという報告がされていて、現在ではこちらの考え方がスタンダードです
筋のパフォーマンスを落とす報告
アメリカ・ルイジアナ州大学のネルソンらはストレッチを行う群と行わない群に分けて1RMの60%のレッグカールを疲労困憊まで行わせました。
結果、
ストレッチした群は、運動回数が24%減少した
という報告をしています。
ブラジル・サンパウロ大学のバローゾらはトレーニング経験者に対して実験をしました。
ストレッチを行う群と行わない群に分けて1RMの80%のレッグプレスを疲労困憊まで行わせ8セット繰り返しました
結果、
ストレッチした群は、運動回数が18%、総負荷量が23%減少した
などの報告があり、やっぱりトレーニング前の静的なストレッチはパフォーマンスの低下につながるようです。
ストレッチが運動回数を減らす理由
1.運動単位(モーターユニット)が1部しか働かなくなる。
静的なストレッチは、神経活動の発火頻度を下げるといわれています。
どういうことかというと、10本の筋肉を動かしていたものが5本の筋肉しか働かなくなるようなイメージです。
2.ストレッチが筋の粘弾性(ねばり)を低下させてしまう。
筋肉は「弾性要素」と「粘弾要素」があります。
筋肉はある程度の粘りがあるためにゴムのように伸び縮みできます。
ですが、ストレッチを行うことで粘弾性を低下させてしまうためです。
3.筋肉の血液が極度の貧血になるため。
実は、長時間のストレッチは貧血状態にするという報告は昔からされています。
ストレッチで阻血状態でのトレーニングでは疲労物質を除去できないという推測をバローゾらは述べています。
対策
①30秒以下の静的ストレッチにする!
静的なストレッチがパフォーマンスを低下させるのは、30秒以上のストレッチをした場合です。
なので、トレーニング前は30秒以下にすればオッケーです。
逆に、きっちり30秒やる人って意外と少ない?
そんな気がするので、過剰に気を使わないで適度なストレッチをしてからトレーニングをすることをおススメします。
②ダイナミックなストレッチを行う
静的なストレッチの反対で反動を使うようなダイナミックなストレッチは筋パフォーマンスの低下はみられないとされています。
なのでトレーニング前は少し反動を使うようにストレッチをする方法が推奨されています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考文献
科学的に正しい筋トレ 最強の教科書