筋肉を大きくさせる法則
人間の体には、ルーの法則といい、様々な刺激に対して適応する能力が備わっています。
例えば、薄着をしていれば、寒さに対して強くなっていきます。
刺激(寒さ) ⇒ 適応(寒冷対応)
これと、同じことが筋肉にも起こります。
刺激(トレーニング) ⇒ 適応(筋肥大)
となります。
つまり、筋肉を肥大させるには、適切な刺激が必要になります。
筋肥大させるストレス
筋肉を肥大させてくれるストレスは大きく分けて4つあります。
①筋肉に大きな力をかける
➁筋肉に微細な損傷を起こさせる
③筋肉に無酸素性の代謝産物を蓄積させる
➃筋肉を低酸素状態にする
※それぞれが完全に独立した要素ではありませんが、今回は個々に分けて考えていきます。
➀筋肉に大きな力をかける
筋肉が大きな力発揮をした際に、筋肉は長軸方向に引っ張られる張力を受けます。メカニズムは完全に解明されたわけではありませんが、この張力を感知すると筋肥大のシグナルになるようです。
筋肉は、サイズの原理という法則があります。
軽い負荷では遅筋線維から使われていき、強い負荷になると速筋線維が使われていきます。
実際のトレーニングで考えると、高負荷の刺激を与え速筋繊維を刺激するトレーニングが有効的です。
➁筋肉に微細な損傷を起こさせる
筋肉は運動によって物理的な負荷を受けると微細な損傷を受けます。
この微細な損傷を筋損傷もしくは筋破壊といい、このストレスが筋肉の成長のシグナルになるとされています。
この筋損傷は、バーベルを上げる動作(コンセントリック収縮)よりも、降ろす動作(エキセントリック収縮)の時の方がより起こりやすいとされています。
実際のトレーニングで考えると、戻す時をゆっくり戻すエキセントリック収縮を意識して行うトレーニングになります。
③筋肉に無酸素性の代謝産物を蓄積させる
筋肉は、トレーニングを続けていくと一時的に水分が集まり大きく膨れあがります。
この現象をパンプアップといいます。
パンプアップは乳酸などの無酸素性代謝産物の蓄積により起こります。
この無酸素性代謝産物の蓄積が筋肥大のシグナルになります。
実際のトレーニングで考えると、セット間の休憩時間を減らしたショートインターバルトレーニングが効果的です。
➃筋肉を低酸素状態にする
低酸素状態が筋肉有効なメカニズムは2つ考えれています。
一つ目は速筋線維の優先利用です。
筋肉を低酸素状態にするというのは、③の「筋肉に無酸素性の代謝産物を蓄積させる」と似てるところがあります。
低酸素状態にすると、酸素をエネルギー源とする遅筋線維が使いづらくなり、軽い負荷でも速筋線維から使われるという特徴があります。
速筋繊維のエネルギー源である糖質から作られるピルビン酸を燃やすと、乳酸を大量に発生させます。
この乳酸が筋肥大のシグナルになります。
二つ目が「再灌流」です。
再灌流(さいかんりゅう)とは、ベルトなどで制限していた血流をベルトを外して再び血液を流すことです。
拡張した血管に多量の血液が流れ、筋肉内が高酸素状態になることがわかりました。
この高酸素状態では、活性酸素が発生することが分かりました。
活性酸素は、DNAや細胞を傷つけるなどのマイナスイメージがありますが、微量の活性酸素は身体の機能維持や、更新に作用するともいわれています。
虚血 ⇒ 再灌流 ⇒ 活性酸素
この流れにより筋肥大の刺激になると考えれれます。
実際のトレーニングで考えると、加圧トレーニングになります。
加圧トレーニングができない環境だと、動作中に常に効かせ続ける効かせトレーニングが有効です。
まとめ
筋肥大させるストレス
①筋肉に大きな力をかける ⇒ 高負荷トレーニング
➁筋肉に微細な損傷を起こさせる ⇒ ネガティブトレーニング(エキセントリック収縮)
③筋肉に無酸素性の代謝産物を蓄積させる ⇒ パンプアップトレーニング(ショートインターバル)
➃筋肉を低酸素状態にする ⇒ 加圧トレーニング、効かすトレーニング
最後までお読みいただきありがとうございます。