ビタミンシリーズで今回はビタミンAです!
ビタミンシリーズでは、まず最初に大まかな内容を表で紹介をして、後半で詳しく解説していきたいと思います。
なので、面倒くさくてややこしいものは読みたくないという人は最初の表だけ見てください(笑)!
ビタミンAの解説
作用 | 目の細胞の保護、皮膚、粘膜の働き活性 |
特徴 | 脂に溶ける。熱、光、酸素に弱い |
過剰症 | 頭痛、肝障害、骨粗しょう症、胎児の奇形 |
欠乏症 | 夜盲症、成長障害 |
ビタミンAの厚労省推奨量
成人男性 | 800~900 μgRAE/日 |
成人女性 | 650~700 μgRAE/日 |
妊婦 | +80 μgRAE/日 |
授乳婦 | +450 μgRAE/日 |
※厚労省の推奨目安は必要量の約1.4倍になっています。
概要 |
ビタミンAは、レチノイドといい、その末端の形によりレチノール(アルコール)、レチナール (アルデヒド)、レチノイン酸(カルボン酸)に分類されます。
その他にも、植物に含まれているβ─カロテン、 α─カロテン、γ─カロテンなどの物質はプロビタミンAと呼ばれ、体内で一部分解されビタミンAに変化する前駆体です。
その中でもβーカロテンは一番活性が強いです。
作用 |
・レチノール、レチナール・・・目の網膜細胞の保護作用。
視細胞の光刺激に反応するロドプシンという物質の元になります。
・レチノイン酸・・・細胞分化・成長促進作用。
粘膜・皮膚の正常維持など全身機能の保持する作用があります。
・βーカロテン・・・抗酸化作用・免疫活性作用
抗酸化作用とは、細胞は酸素と結合すると酸化してしまい細胞がダメージを受けます。その酸化を防いでくれる作用があります。
その他にも、ビタミンAを摂取不足の人はガンの発生率が高いとの報告もあり近年では、抗がん剤の研究も進めれています。
細胞のアポトーシスという自然死を促すのにビタミンA(レチノール)が誘導しているので、がん細胞が自然死するように促す抗がん剤の開発に期待させれています。
特徴 |
ビタミンAの多く含む食材はレバー、ウナギになります。
・鶏レバーで100gあたり14000μgRAE/日
・ウナギで100gあたり1500μgRAE/日
カロテン類では人参、カボチャなどになります。
・人参100gあたり9100μgRAE/日
・カボチャ100gあたり3900μgRAE/日
熱には弱い性質がありますが、レバー、うなぎ、カボチャなどは生では食べられません・・・
多少の損失は否めませんが炒めて食べましょう。
その際に、吸収率をアップさせるため、油で炒めましょう!
脂溶性ビタミンは、油と一緒にとると吸収率が上がります。
過剰症 |
過剰症とは、許容量を超えて摂取すると発生する症状です。
主に過剰症の原因はレチノイン酸です。
主な症状
急性毒性:頭蓋内圧亢進(頭痛、悪心、めまいなど)
慢性毒性:頭蓋内圧亢進、皮膚障害、脱毛、筋肉痛、肝障害、骨障害
※頭蓋内圧亢進とは、頭蓋骨の中の圧力が高まってしまい脳が圧迫を受ける状態です。
実際に過剰摂取により肝障害が出現し始めるのは13,500 μgRAE/日となっています。
また、別の調査では1日に1,500 μgRAE/日以上のレチノール摂取を30年続けていると、推奨 量(500 μgRAE/日)以下しか摂取していない人に比べて高齢者の骨折のリスクが2倍程度になるという報告がされました。
レチノイン酸は、骨芽細胞という骨作る細胞の働きを阻害し、破骨細胞という骨を壊す細胞を活性化することが知られているので、その影響のようです。
では、1日どのくらい取ったらダメなのでしょうか?
厚生労働省では、実際に障害がではじめる13,500 μgRAE/日の5分の1の耐容上限量は2,700 μgRAE/日を成人の許容上限に設定しています。
実際にこの値を動物性の食べ物で考えると
・鳥レバー串(約25g)・・・・3500μgRAE/日
・ウナギ一人前(約150g)・・2250μgRAE/日
焼き鳥屋さんで頼むのは、1串でも良さそうです(残念)!
個人差にもよりますが、4串食べると過剰症がでてくる可能性があります!
注意が必要です。
植物性の食べ物なら
・人参1本(約150g)・・・13650μgRAE/日
・カボチャ1/4(約400g)・・15600μgRAE/日
「これじゃ、ほんの少し食べられない!」
そう思ってしまいますが、βカロテンはプロビタミンAといわれる物質でレチノールの活性の1/12と言われています。
そのため、カロテンの摂り過ぎによる脳圧亢進や、肝障害の報告はされていません。
安心していっぱい食べましょう!
欠乏症 |
欠乏症とは、摂取量が不足することにより発生する症状です。
主な症状
・眼症状・・・乳幼児で角膜乾燥症から失明。成人で夜盲症。
・成長阻害、骨及び神経系の発達抑制
・上皮細胞の分化・ 増殖の障害・・皮膚の乾燥・肥厚・角質化、免疫力の低下、のど等の粘膜上皮の乾燥から感染症にかかりやすくなる。
最低限必要な量
成人男性の推奨量は800~900 μgRAE/日ですが、最低限どのくらい摂取すると欠乏症防げるのでしょうか?
現在の基準としては9.3 μgRAE/kg体重/日を摂取することにより欠乏症を防げるとされています。
例えば、体重70kgの男性なら
9.3×70=651μgRAE/日
となります。
この量だけは摂取しておいたほうがいいです。
編集後記 |
今回のテーマは過去のブログのなかで一番長い文となり、一番時間がかかりました((+_+))
最初に書いたように、表の要点だけ理解してもらえれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。