今回の参考にした本です。
白い炭水化物
白い炭水化物とは、白米や小麦粉のように精製された炭水化物の事です。
日本人が大好きな白米などは、健康に大きな害を及ぼすことが近年わかってきています。
これらの白い炭水化物は血糖値上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性があることが、数多くの研究から報告されています。
こういう研究は、海外の研究だから日本人には当てはまらないんじゃない?
と思われる方もいるともいると思いますが、日本人を対象にした研究もあります。
南里明子さんの研究によると、日本人においても白米の摂取量が多ければ多いほど糖尿病になる可能性が高くなることが明らかになりました。
論文では、男性では、白米を食べる量が(ごはん1杯160g換算で)1日2杯以下のグループと比べて、1日2〜3杯食べるグループでは5年以内に糖尿病になるリスクが24%高いことが明らかになった。
その一方で、ごはんを1日2〜3杯食べる人と、3杯以上食べる人たちで糖尿病のリスクは変わらなかった。1日2杯(315g)くらいが糖尿病のリスクが上がりはじめる境界だと考えてもいいかもしれない。
白米摂取量 | 糖尿病リスク |
315g以下 | 1.00倍 |
361g~420g | 1.24倍 |
421g~560g | 1.23倍 |
561g以上 | 1.19倍 |
男性の白米摂取と糖尿病の関係
女性では白米を食べる量が多ければ多いほど糖尿病のリスクが高くなるという関係が認められました。
白米を1日1杯しか食べないグループに比べて(最も少ないグループの白米摂取量が男女で違うので注意が必要)、1日2杯食べるグループでは15%、3杯食べるグループでは48%、4杯食べるグループでは65%も糖尿病になるリスクが高くなることがわかりました。
白米摂取量 | 糖尿病リスク |
279g以下 | 1.00倍 |
280g~417g | 1.15倍 |
418g~436g | 1.48倍 |
437g以上 | 1.65倍 |
女性の白米摂取と糖尿病の関係
一番身近な炭水化物である白米が、不健康にさせてしまっているという信じ難いことですが、残念ながらこれが現実のようです。
茶色い炭水化物
茶色い炭水化物とは精製されていない炭水化物のことです。
米でいうと玄米、小麦粉でいうと全粒粉のものです。
これらの茶色い炭水化物は様々ないい効果が報告されています。
アメリカ、英国、北欧の国々で行われた研究を統合した78万6000人のデータを用いて、炭水化物の摂取量と死亡率の関係を評価したメタアナリシスによると、1日70gの茶色い炭水化物を摂取したグループは、茶色い炭水化物をほとんど食べないグループと比べて死亡率が22%低かった。
炭水化物と心筋梗塞や脳梗塞の関係を見た別のメタアナリシスによると、茶色い炭水化物の摂取量が多いグループ(1日2.5単位以上摂取)は、摂取量が少ないグループ(週に2単位未満)と比べて心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低かった。
茶色い炭水化物の摂取により糖尿病のリスクが下がることも複数の研究結果によって明らかとなっている。玄米を多く食べる人たち(週に200g以上摂取)は、玄米をほとんど食べない人たち(摂取量が月に100g未満)と比べて糖尿病になるリスクが11%低かった。この研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えることで糖尿病のリスクを36%下げることができると推定された。
普段あまり摂取する機会のない茶色い炭水化物の方が、健康にいいということが分かってきました。
まとめ
白い炭水化物
摂取量が増えると
・血糖値上げ、脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化による病気が起こるリスクを高める可能性がある。
・白米の摂取量の増加に比例して、糖尿病のリスクは上がっていく。
茶色い炭水化物
摂取量が増えると
・死亡率が22%低下
・心筋梗塞や脳卒中といった動脈硬化によって起こる病気になるリスクが21%低下
・糖尿病のリスクを36%低下
近年、「糖質制限」ブームが流行っています。
単純に糖質を減らすと、お腹が空きやすく、実践には強いメンタルが必要になります。
糖質制限の本や今回参考にさせて頂いた「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を読んで私なりのおススメ方法としては
「糖質制限」ではなく「糖質チェンジ」です。
全体の糖質量を減らすのではなく、白い炭水化物から茶色い炭水化物に変えていくのです。
そうすることで、お腹の満足感も失わずに健康になれる可能性があるのです。
あとは、野菜からの炭水化物摂取もおススメします!
本格的な糖質制限をする方は、トマトや玉ねぎやにんじんなどの糖質を多く含む野菜まで敬遠してしまう人もいます。
ですが、そういった野菜には食物繊維やビタミンやその野菜特有の有効成分も含まれています。
そういった成分を摂取できないのは、非常にもったいないです。
なので、実践方法として
・白米、うどん、パスタ、小麦粉のパンなど白い炭水化物は止める。
・玄米、全粒粉のパンなど茶色い炭水化物と野菜の摂取量を増やす。
基本的にはハードにトレーニングをしていない一般の人はこの食生活がいいと思います。
実践できる範囲で無理なく取り入れてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考文献
・「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」津川 友介 (東洋経済)